LINEMO副回線は必要?
ドコモやauの回線がつながらなくなった場合に備えて、サブの回線としてソフトバンク回線の副回線を契約することは、万が一の通信障害や災害の備えになります。
| 主回線 | ドコモやauをメインで利用 |
|---|---|
| 副回線 | ソフトバンク回線のLINEMOをサブ・予備利用 |
LINEMOは副回線サービスを提供している?
副回線サービスとは、メインキャリア1社と契約するだけで2種類の回線を利用できます。
たとえば、「ドコモ」の「副回線サービス」では、「ドコモ」をメインキャリアとして1回線利用しながら、他社au回線をサブキャリアとして利用可能です。
副回線サービスはデュアルSIMの仕組みを用いてメイン回線とは別のSIMをスマートフォンに追加し、非常時に手動で切り替えて通信を維持できるものです。
デュアルSIMは2つのキャリアを別々に契約が必要な一方、副回線サービスはメインキャリア1社と契約するだけで副回線を利用できる点が異なります。
LINEMOでは副回線サービスを提供していないので、LINEMOとは別にドコモ回線やau回線を副回線として必要な場合は、別途で「UQモバイル」「ahamo」など申し込みが必要です。
副回線サービスのメリット
- 他社で回線を追加する必要がなく、メイン回線で申し込みできる
- 他社回線を予備で追加しても、契約や料金の請求は今のキャリアにまとまる
- 副回線サービスは月々429円と安い。(ただし、データ容量が少なく速度が遅い)
■副回線サービス提供事業者
| 比較 | ドコモ | KDDI | ソフトバンク |
|---|---|---|---|
| 提供開始日 | 2023年6月1日(木) | 2023年3月29日(水) | 2023年4月12日(水) |
| 対象者 | 主回線がドコモ/ahamoの方 | 主回線がau/UQ mobileの方 | 主回線がソフトバンクの方 |
| 対応SIM | eSIM | eSIM/SIMカード | eSIM |
| 月額基本使用料 | 429円 | ||
| データ容量 | 500MB/月(送受信最大300kbps) ※500MBを超えると最大128kbpsになります |
||
| 国内通話料 | 22円/30秒 | ||
| 国内SMS | 送信:3.3円/通(全角70文字まで) 受信:無料 |
||
| 受付窓口 | ドコモ副回線サービス受付サイト | au/UQ mobileのホームページ/お客さまセンター | ソフトバンクショップ |
KDDIは「au」「UQ mobile」が対象で「povo(1.0、2.0)」は対象外。
ソフトバンクは「ソフトバンク」のみで「ワイモバイル」「LINEMO」は対象外。
ドコモは、「ahamo」が対象です。
副回線はどの携帯キャリアでも良いわけではなく、主回線がドコモ/ahamoの方はau、主回線がauの方はソフトバンク、主回線がソフトバンクの方はauと決まっています。
副回線サービスのマイナス要素
ドコモ、au、ソフトバンクで提供される副回線サービスは、月額429円と安いのが特徴ですが、300kbpsに制限され遅く、データ容量は500MBと少ないのがマイナス要素です。
最大300kbpsの通信速度は、SNSやテキストが中心のWEBサイトの閲覧ができる程度です。
副回線の通信設備への負担を考慮して、データ容量・通信速度ともにかなり抑えられています。
副回線としていざ使おうとしても「データ容量が足りない」「速度が遅い」で困る方は、別途で格安SIM申し込みがおすすめです。
副回線サービスで問題ない方
- 万が一の保険として安さ重視している
- 通信障害で一時ちょっと使うだけだからデータ容量0.5GBで十分
- 万が一のとき、相手に発信してもらうつもりでいる
- 300kbpsでも意外と必要なことはできてしまうので良い
副回線サービスのデメリット
- かけ放題や5分以内通話無料といった通話オプションがない
- 送受信時最大の通信速度は個人契約で300kbpsと遅い
- 契約事務手数料として3,850円がかかる
- オンラインで契約受付のみで実店舗では契約できない
- データ量の追加購入や繰り越しができない
副回線をLINEMOで契約する意味は?
メインの回線にいつ何が起こるか分かりません。
普段使っているスマホの回線がつながらなくなった場合に備えて、サブの回線を準備しておくことは万全策として大切なことです。
サブとなる副回線は、主回線のサービス提供元のキャリアとは別のキャリアを選択するのが基本です。
その理由は、UQモバイルをメイン回線として、povoをサブ回線としていたら、同じau回線で、通信障害時に共倒れでどちらも使えなくなります。
そのため、サブ回線はメインキャリアとは別の回線を選択する必要があります。
通信障害時の切り抜け例
- ahamoで通信障害でもLINEMOで通信可能
- povoで圏外でもLINEMOなら繋がる
- auで地下で電波が届かなくてもLINEMOなら通信可能
- ドコモで速度制限でもLINEMOなら高速通信できる
副回線サービスよりLINEMOを副回線として契約するメリット
- データ容量は最低でも3GB使える
- 高速通信が使える
- かけ放題オプションに加入できる
- 事務手数料無料
緊急事態発生時に繋がる安心感
スマホは繋がるのが当たり前ですが、いつ通信障害が起こるか分かりません。
そんな時に副回線があれば、もしもの時の備えになります。
緊急事態発生の事例
- 今すぐ連絡を取りたい相手がいる
- 待ち合わせ約束をしていて連絡を後回しにできない
- 決電子チケット表示で、イベントやコンサートに入場したい
- 旅行先や出張でスマホが使えないと困る
- 電車の乗り換え案内アプリを使って、乗り換えルートを知りたい
- 決済アプリで支払いがしたい
LINEMO副回線で不都合なことはある?
LINEMOを副回線として利用することは、「もしもの事態の備え」としての役に立つことだけではありません。
ドコモやauをメイン回線として利用している方が、LINEMOを副回線を利用することの弊害もあります。
データ通信専用プランがない
LINEMOベストプランとベストプランVはどちらも音声通話SIMです。データ専用プランの提供がありません。
主回線と副回線は、音声通話用とデータ通信用の使い分けると月額料金を節約できますが、LINEMOを副回線とした場合に、無駄な音声通話が付くがゆえに料金が高くなってしまう点は不都合な点です。
副回線の通話料は従量制になる
副回線利用時の通話料は、LINEMOベストプランは30秒ごとに22円かかります。
LINEMOベストプランVは、5分以内は通話無料ですが、5分超過で30秒ごとに22円かかります。
メインの回線で通話し放題プランやオプションを利用していても、その料金設定は副回線では適用されません。
副回線のLINEMOでも通話オプションを契約する場合は別途オプション加入で料金が高額になります。
| ベストプラン | ベストプランV | |
|---|---|---|
| 通話定額 (24時間かけ放題) |
月額1,650円 | 月額1,100円 |
| 通話準定額 (5分かけ放題) |
月額550円 | 無料 |
| 通話料 | 30秒あたり22円 | 1回5分以内の国内通話は無料、5分以降は30秒あたり22円 |
主回線、副回線ともに通信できないリスクあり
大規模災害発生時など複数キャリアで通信が不通になってしまった場合には、主回線も副回線も利用できないという状況も起こり得ます。
災害時に電波がつながりにくくなる原因
- 地震の影響で発電所が止まったり、電線・電源ケーブルの切断で長時間停電状態になると、基地局の機能が停止し、稼働する基地局の数が減ると、電波がつながりにくくなる。
- 地震で物理的なダメージを受け、基地局設備が故障すると通信基地としての機能しないので、電波がつながりにくくなります。
- 災害時には、多くの人が情報を集めたり連絡を取り合ったりするでしょう。アクセスが集中すると、通信障害やシステムダウンを誘発してしまいます。
- 各キャリアが、輻輳状態からのシステムダウンを避けるために通信規制を行うことで、地震直後の電波がつながりにくくなります。
料金が最低でも月額990円する
ドコモやauで副回線サービスを申し込みすれば、「データ容量0.5GB」「速度300kbps」と制限があるものの、月額429円と安い料金で利用できます。
LINEMOベストプランは「データ容量3GB以下なら月額990円」「高速通信」と副回線サービスより魅力的な条件ですが、月額料金は2倍になってしまいます。
| ベストプラン | ベストプランV | |
|---|---|---|
| 月額料金とデータ容量 | ~3GB:990円 ~10GB:2,090円 |
30GB:2,970円 |
| 通話料 | 22円/30秒 | 無料/5分 1回当たり5分を超える国内通話は、通話料が別途かかります(20円(税込み22円)/30秒)。 |
| 国内SMS利用料 | 送信:3~30円(3.3~33円)/1通、受信:無料 | |
LINEMO副回線で利用するシーン
ドコモやauをメインで使っておきながら、副回線としてLINEMOを利用するシーンは以下です。
主回線が通信障害が発生した時
キャリアで契約している主回線で設備障害などのトラブルが発生した際に、スマホが使えなくては困ることがあります。
副回線でLINEMOを契約していれば、回線を切り替えて通信が可能です。
通信障害が発生する原因
通信障害が起こる原因としては大きく2つあります。
一つ目は物理的な問題。台風や大雨、地震といった自然災害によって、物理的に設備が破損したりケーブルが断線したりすることがあります。
二つ目はアクセスが一定の時間に集中がすることによる「輻輳」と呼ばれるものです。多くの人が一斉にアクセスするタイミングとしては、災害が発生した時や、公演チケットの販売時刻などが考えられます。
災害が起きた時|災害の影響で基地局が止まってしまう
地震や台風などの災害によって、通信インフラ(基地局、伝送路など)が被害を受け、携帯電話がつながりにくくなることがあります。
昨今は自然災害のリスクも増えていることもあり、緊急時の代替手段でLINEMOを契約する意味があります。
災害時のリスクを想定しよう
- 災害時は場所と時間によって「ソフトバンク回線は繋がるが、au回線はつながらない」といった変化が流動的に起き得る
- 携帯電話は非常時にも連絡を取り合うのに必要な、とても重要なコミュニケーションインフラ。もし通話、通信ができなくなったら大切な家族との連絡ができなくなる
- 被災した基地局の近くにいる場合は、復旧に時間がかかり、その間に携帯が使えなくなる
- 日本に住んでいる以上、地震だけでなく台風や洪水など、あらゆる自然災害を避けて生活することはできない
主回線が電波状況が不安定で繋がりにくいが、どうしても通信したい時
主回線がつながりにくい場所でも、副回線のLINEMOは安定して通信できる可能性があります。
ドコモやauの電波が届かない場所でも、LINEMOであれば電波が届いているケースがあるためです。
主回線の電波が悪くなる事例
- 基地局から発射される電波は樹木にぶつかると弱まってしまうため、周囲を高い木々や山に遮られた登山道は電波が届きにくい
- ビルの地下や地下鉄の駅構内などで、屋外からの電波が届きづらい
- ライブ会場や駅など、人が多く集まる場所や時間帯で通信速度が低下
- パケ詰まり(電波は立っているのにデータ通信ができない状態)
LINEMOデュアルSIMの設定方法
デュアルSIMとは、1台のスマホで2つのSIMをセットして使える機能のことです。
SIMは、携帯電話回線での通信・通話を使うためにスマホにセットするものです。SIMの種類としては、SIMカード、eSIMの2種類があります。
デュアルSIMでは、SIMを2つセットすることで、LINEMOとahamoなど2つの携帯電話会社の回線を1台のスマホで使うことができます。
SIMの組み合わせとしては、主に以下の2つがあります。
- SIMカード+eSIM
- SIMカード+SIMカード
デュアルSIMの設定方法(iPhoneの場合)
iPhoneにデュアルSIMをセットした際の、通信・通話の設定は下記の手順で可能です。
なお、下記の手順はiOS 16の場合です。古いOSでは手順が異なる場合があります。
デュアルSIMの設定方法(iPhoneの場合)
- 1.「設定」>「モバイル通信」と選択してから、「SIM」の下に2つ以上の回線があることを確認する
- 2. 回線をタップしてから、「この回線をオンにする」をタップして2つの回線をオンにする
- 3.「モバイルデータ通信」をタップし、モバイルデータ通信に使用するデフォルトの回線をタップする
- 4.「デフォルトの音声回線」をタップし、音声通話に使うデフォルトの回線をタップする
デュアルSIMの設定方法(Androidの場合)
AndroidにデュアルSIMをセットした際の、通信・通話の設定は下記の手順で可能です。
Androidは機種によって操作方法が異なる可能性があります。
デュアルSIMの設定方法(Androidの場合)
- 1.「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」の順にタップする
- 2. 2つのネットワークから、設定をするネットワークを選択する
- 3.ネットワークごとに、データ通信、通話などの設定を行う
デュアルSIM対応機種
すべての機種がデュアルSIMに対応しているわけではないため、事前に機種のホームページで確認しましょう。
LINEMO公式サイトの動作確認端末一覧はデュアルSIMの動作を保証するものではありません。端末がデュアルSIMに対応しているかはメーカー公式Webサイトでご確認ください。
デュアルSIM対応のiPhone一例
- iPhone XR
- iPhone XS
- iPhone 11
- iPhone 12
- iPhone 13
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone 14以降
デュアルSIM対応のXperia 一例
- Xperia 1 VI
- Xperia 10 VI
- Xperia 1 V
- Xperia 5 V
- Xperia 10 V




















